子供はいつから喋り始めるの?
発語を早める方法を知りたい・・・
国が調べた情報によると・・・
1歳でおよそ5割、1歳6か月では9割の子供に発語が見られます。
これを知って、「周りの子供が喋っているのにうちの子だけ喋らない・・・」なんて焦る必要はありません。
- 6か月~1歳6か月の子供の発語の割合
- 発語が無くてもあせる必要がない理由
- 発語を早める方法
発語はいつから?
まずは、6か月から1歳6か月までの赤ちゃんの発語の割合を表でご覧ください。
平成22年と平成12年で、始めて発語が見られた時期を表にまとめました。
平成 | 6か月 | 7か月 | 8か月 | 9か月 | 10か月 | 11か月 | 1歳 | 1歳1か月 | 1歳2か月 | 1歳3か月 | 1歳4か月 | 1歳5か月 | 1歳6か月 |
22年 | 0% | 1% | 4% | 9% | 18% | 35% | 50% | 65% | 76% | 82% | 87% | 90% | 93% |
12年 | 0% | 0% | 4% | 10% | 20% | 40% | 62% | 70% | 80% | 85% | 90% | 92% | 95% |
(参考:平成 22 年乳幼児身体発育調査報告書)
資料を基にした、おおよその数字となります。
表を見ると、平成22年と平成12年、どちらも8カ月で4%、1歳には50%、1歳6カ月で90%以上の子供に発語が認められていることがわかります。
しかし、1歳0か月での発語の有無を比べると、平成22年では50%、平成12年では62%と大きく開いていることが分かります。
どうして昔のほうが発語が現れるのが早いの??
断定することはできませんが、「兄弟が多い」や「ネットの普及」などが関係していると考えています。
共通点は会話が多く、子供が自然と言葉を吸収しやすい環境にあります。
兄弟が多い家庭は自然と会話が増えるし、ネットが普及していない時代は人に会うことが多いですよね。
しかし、発語が無くても焦る必要なんてありません。
次に、焦る必要がない理由を解説していきますね。
そもそも、発語とは?
子供に使う「発語」とは、意味のある言語を言い始める事です。
例えば「ママ」「パパ」「ワンワン」など、意味のある言葉を喋れば、それは「発語がある」と言えます。
何回も言葉を教えてるけど、発語がないの・・・
発語が早い・遅いについては個人差がどうしてもあります。
しかし、その子、個人の発語を促すことは、ある程度はできます。
他の子供と比べると個人差があるのは子供の個性なので、どうしようもありません。
しかし、子供個人の成長を比べると、発語を促す方法はいくつかあります。
他の子と比べると個人差があるから焦る必要がないのね。
でも、自分の子供を伸ばす方法ならあるっていうことね!
発語を促すためには、発語までのプロセスを理解する必要があります。
発語のプロセス
発語までのプロセスは、ざっくり言えば「経験・体験」をして「認識・理解」が深まり、「言葉を喋る」の3つだけです。
この「経験・体験」は5感などからきた情報です。
次のステップ「認識・理解」は、その情報に意味を付けて知覚します。
例えば、犬の「ワンワン」という聴覚や視覚からの情報を得て、ワンワン(犬)と、意味を付け加えて認識することを、知覚といいます。
「情報」に意味を付け加えて「知覚」し、それを繰り返す事で、言葉を発するようになります。
発語を促す方法
経験値を効率よく貯め、発語を促すには次の3点が重要になります。
- 成長に合わせた声掛け
- 実体験による刺激
- ポジティブな刺激
それぞれ具体例を使って説明していきます。
成長に合わせた声掛け
「言葉のシャワー」を浴びせる事はもちろん大事ですが、適切な量・内容の声掛けを意識しましょう。
例えば、まだ0歳の子供に「飛行機」を教えるとき・・・
「これは飛行機」
「これは飛行機で、飛行機は翼が二つ付いていて、その翼の揚力を使って飛ぶのよ」
0歳の子供に言葉を教えるのにこの2つでは、前者のほうが適切となります。
情報は後者の方が多いですが、理解できない単語(飛行機)に付け加え、分からない単語(翼・揚力)が並べられては混乱してしまいます。
また、声を掛けすぎるのも、子供が発音する機会を失わせる可能性もあるので、注意が必要です。
せっかく何か言おうと思っても、大人がずっと話しかけていては何も言えません。
実体験による刺激
実体験による刺激は受ける情報の数や刺激が多くなるため、言葉を覚えるのにおすすめです。
実体験の具体例では「砂遊び」や、紙を破る「ビリビリ遊び」などがおすすめです。
例えば、砂遊びでは「ザラザラする」「水を使うと泥になる」「泥と砂は色が違う」など様々な情報が入ってきます。
このような遊びは療育センターなどでも取り入れられています。
TVではだめなの??
TVは視覚・聴覚の情報しか持っておらず、一方通行の刺激のため、発語への刺激が少ないです。
味覚・触覚・嗅覚といった情報は持ち合わせていないので「発語を促す」という観点からみると、TVのみで言葉を教えるのはおすすめしません。
ちなみに、私はテレビ否定派ではありません。
テレビは家事などの合間に見せたり、自分の喋れない言語を教えたり、子供の興味の範囲を増やしたりするのにとても優秀だと思っています。
ポジティブな刺激
ポジティブ刺激で経験値が溜まりやすいのは、実は皆さんもよく経験していることです。
勉強で例えると、苦手な教科は覚えるのが遅く、特異な教科は覚えるのが早かったと思います。
そして、得意な教科は「好き」な教科だったり「面白い」と感じられる教科だったのではないでしょうか。
好きなものから得る情報はとっても大きな刺激になります。
初めて喋った言葉に「ママ」「パパ」「ワンワン」などが多い理由も、「好き」だからなんです!
子供の発語を促すには子供の「楽しい」「面白い」などのたくさんの好きを見つけてみてください!
本当は話せるかもしれない?
これまでは、発語を促す方法を紹介してきましたが、実は話せるのに話さない場合もあるんです。
その場合、下記の2つの原因が考えられます。
- 話す必要がないから
- 話すのを楽しいと思わないから
こちらも、具体的な例を挙げながら解説していきます。
話す必要がないから
例えば、次のように話す必要が無ければ、子供は話しません。
- 「抱っこしてほしいときに、泣けば抱っこしてもらえた」
- 「ワンワンと言おうと思ったら、ママが先にワンワンと言った」
「抱っこ」の言葉を伝えるよりも、泣く方が簡単であれば、子供は泣きます。
「ワンワン」と言おうと思っても、「大人の言葉のシャワー」が続けば、子供は聞いているだけになってしまいます。
どちらも、愛情があるゆえに構いすぎた結果、言葉を飲み込んでしまっている状況です。
親がいったん言葉を飲み込んで、子供に発語の機会をあげてみるのもいいかもしれませんね。
- 両手を出して泣いたときには「抱っこ」と短い一言で教える
- じっと何かを見ていたら、見守ってみる
このように立ち回る事で、今までため込んでいた言葉を、話し始めてくれるようになる可能性があります。
話すのを楽しいと思わないから
話すのを楽しいと思わない場合も、子供は話さない可能性があります。
例えば、下の子が生まれた場合、下の子は泣けば構ってもらえるのに対し、自分は言葉で伝えなければ構ってもらえないので、面白くなく、一時的に話さなくなる可能性があります。
その場合、「話せるのがうれしい」と子供に伝えることで改善する可能性があります。
「うれしい」がまだ理解するのが難しければ、話したり、発音したりした時に大げさにリアクションを取りましょう。
障がいの場合
発語がない原因には、障がいがある場合も考えられます。
- 耳が聞こえない
- 知的障害・発達障害
これらの障がいがある場合も、言葉の遅れが見られます。
耳が聞こえない
今では、産婦人科などで生まれたときに検査をしていることがほとんどだと思います。
今まで耳の聞こえに異常がないと思っていた場合でも「耳は聞こえるが片耳のみ」や「耳は聞こえても音はノイズが入る」などの可能性が考えられます。
ある一定の方向から声をかけても反応がない場合など、気になる事があれば受診することをおすすめします。
知的障害・発達障害
知的障害、あるいは発達障害がある場合も言葉の発達に遅れが現れる可能性があります。
何か発達で気になるところがある場合、「保健センター」「子ども家庭支援センター」「小児科」「療育センター」などで相談することをおすすめします。
私は発達障害がありますが、発語には問題なかったため、発見が遅れました。
そういう場合もあるので、言葉が遅い=発達障害とはなりません。
発語に問題がなくとも、発達障害や知的障害が隠れている場合はあります。
後々学校などで苦労することが出てくるため、少しでも「あれ?」と思ったら受診することをおすすめします。
まとめ
記事の内容をまとめると、次のとおりです。
- 1歳で5割、1歳6か月で9割以上の子供に発語がある。
- 発語の遅い、早いは完全に個人差で、他人と比べるのは意味がない事。
- 発語には、適切な声掛けや、実体験やポジティブな感情などの良質な刺激が必要。
- 話せるのに話さない場合があるので、注意してみること
- 発語が遅いのに障がいが隠れている場合もある
いろいろな体験をさせたり、絵本をたくさん読んだけど、発語が遅いの
発語の早い・遅いは個人差なので、そういうこともあります。
個人差とは、発語に興味がない場合や、自己主張が少ない場合などがありますが、全て子供の個性なんです。
あせる必要はありません。
親が子供のためにしてあげられる事なんて、実はとても少ないんです。
気負わずに長い目で見守ることが大切です。
発語を促す効果のある赤ちゃんの「好き」が詰まった絵本はこちらです。