毎日泣いたり怒ったりする「イヤイヤ期」
実は、絵本の力で子どもの気持ちを切り替えることができるんです。

この記事では、1歳2歳3歳のイヤイヤ期に効果的なおすすめ絵本を10冊、発達心理×体験談から紹介します。
- イヤイヤ期を発達心理学の視点から解説
- イヤイヤ期におすすめな絵本10冊を3つの向き合い方別に紹介
- 実際に読んでみた母目線のリアルなレビュー


かや
✔この記事を書いた人
2児のママ。年間5000回の読み聞かせを実践。
子どもの公文進度全国3位、漢検協会賞受賞の経験から「絵本で子育てをラクにするコツ」を発信しています。
【発達心理学×実体験レビュー】
イヤイヤ期とは?|2歳前に始まる理由
発達心理学などでは、1歳半~3歳頃に始まる「イヤイヤ期」を「第一次反抗期」と呼んでいます。



イヤイヤ期の時期は子供によってかなり変わります。
わが家の場合、娘は1歳3か月のかなり早期に2、3回のみで、息子は2歳から始まりました。
有名な心理学者エリク・エリクソンはこの時期を「自立性vs恥・疑惑」の段階と位置付けました。
自立性vs恥・疑惑とは
子供が「自分でやりたい!」という自律性を育てる一方で、失敗したり否定されると「恥ずかしい」「自分にはできないかも」という疑惑を感じる発達段階のこと
子供が「自分でやりたい」と主張して、親の言うことに反発するのは、心理学者も提唱する「順調な発達の証」なのです。



さらに、イヤイヤ期の背景には「自分の気持ちをまだうまく言葉で伝えられない」ことも関係しています。
そのため、発語を促して「イヤ!」以外の言葉で気持ちを表現できるようになると、イヤイヤが少し和らぐこともあります。
👉発語を促す絵本や声掛けについては、発語を促す絵本おすすめ絵本で詳しく紹介しています。



子供の成長は嬉しくとも、それだけで乗り越えられるほどあまくないのがイヤイヤ期!
その向き合い方について解説していきます!
イヤイヤ期との向き合い方
イヤイヤ期は「自分でやりたい」気持ちと、まだうまくできない現実とのギャップから生まれます。
上手くできない・言葉が出てこない事へのイライラがイヤイヤ期となって出てくるため、「子供のイライラをどう受け止めてあげるのか」というのが、イヤイヤ期との向き合い方になります。
向き合うときのポイントは次の3つです。



あくまで一般論です。
これらを全てしても、「イヤ!」となるのがイヤイヤ期なので、さらっと確認程度でOKです!
感情を否定せず、受け止めてあげる
「いやなんだね」「○○したいんだね」と言葉に代弁してあげると、気持ちが落ち着きやすくなります。
まだ言葉でうまく表現できないお子さんにおすすめの方法です。
選択肢を与える
「うまく言葉が表現できない時期」と「自立心が育まれる時期」が重なる事でも「イヤ!」が起こります。
「ズボンとスカートどっちがいい?」と、選ばせてあげることで自立心を尊重できます。
気持ちを切り替える
泣いたり怒ったりが続くときは、遊んだり絵本を読んだりして、違う刺激を取り入れることで気持ちの切り替えを促すのも効果的です。
何を言ってもダメなときは、「イヤ!」と言うことにこだわりを持ってしまっているので、別の刺激を取り入れてみてください。
イヤイヤ期には、感情を受け止めること、選択肢を与えること、気分転換することなど、いろいろな切り口から対応していく必要があるんですね。



次に、この3つの向き合い方にぴったりな絵本を10冊紹介していきます!
イヤイヤ期におすすめな絵本10選
「感情を受け止める」「選択肢を与える」「気分転換する」の3つの分野に分けて紹介していきます。
感情を受け止める絵本│4冊
特に2歳ごろのイヤイヤ期は、自分の気持ちをまだ言葉にできず「泣く・怒る」で表現する事が多いです。
そんなときに役立つのが、子供の気持ちをそのまま代弁してくれる「共感型の絵本」です。
イヤイヤ ブブタの いるよね~!こんなこ


対象年齢:1歳から3歳
文章量:かなり短く読みやすい
ページ数:32ページ
『イヤイヤ!ブブタ』は、ベビーカーに乗りたくない、歯磨きしたくない…といったイヤイヤ期の定番場面がぎゅっと詰まった絵本です。
どんなに反抗しても「そんなブブタがままはだいすき~!」と締めくくられ、気持ちを受け止めてもらえる安心感を子供に届けてくれます。



娘も甘えたいときに必ずこの絵本を持ってきて「イヤイヤしても大丈夫」という安心を確かめているようです。
この絵本は現在重版されておらず、新品はほぼ手に入りません。
中古で探す形になりますが、それでも手に入れる価値のある一冊です。
おこりたくなったらやってみて


対象年齢:2歳半から5歳
文章量:長めで少し難しい
ページ数:32ページ
この絵本は「いろんな気持ちがあってもいいよ」「怒ってもいいよ」「怒ったときはこうしたらいいんじゃない?」と、子どもにわかりやすく伝えてくれる一冊です。
主人公のガストンと一緒に呼吸法や気持ちの切り替えを練習できるので「イヤ!」という気持ちを落ち着かせるサポートにぴったりです。



わが家でも息子も娘も大好きで、特に感情の高ぶったときこの絵本を自ら持ってくることがありました。
親子で「怒ったらどうする?」を一緒に決めておけるのもポイントで、気持ちを受け止める絵本の中で一番おすすめできる作品です。
文書は少し長め、難しめなので2歳半~3歳頃から。
子どもの心の葛藤を言葉にできない子どもにとって、気持ちを代弁してくれる存在になります。
ノンタン いやだもん
対象年齢:1歳半から4歳
文章量:普通で繰り返しが多い
ページ数:32ページ
ブランコの順番を変われなくて「だめだめ」と言い張るノンタン。
お友達と遊びたい気持ちと、譲れない気持ちの葛藤が丁寧に描かれています。



私の娘も1~4歳までノンタンシリーズが大好きでした。
言葉や態度には出さなくとも、イヤイヤするノンタンにきっと共感していたのだと思います。
ノンタンシリーズには他にも「あかんべノンタン」など、困った行動をするお話が多くあります。
子供たちはノンタンに自分を重ね、「自分だけじゃない」と安心できるのが魅力です。
👉ノンタンシリーズについてもっと詳しく知りたい方は、「ノンタン絵本を対象年齢別におすすめをランキング」で深堀りしています。
いやだいやだ
対象年齢:1歳から3歳
文章量:短めで読みやすい
ページ数:24ページ
主人公は、なんでも「いやだ」と繰り返す女の子ルルちゃん。
お母さんや周りの人に「いやだ」と言い続けるけど、今度は逆にお母さんが「いやだ」と言ったらどうなるの?という展開です。
『いやだいやだ』は、共感というより”立場を逆にして考える”お話です。
イヤイヤ期の子どもにとっては、自分の行動が周りにどう影響するのかを知るきっかけになります。



繰り返しの「いやだ」のフレーズが楽しく、息子が2歳の時に大好きな絵本でした。
選択肢を与える絵本│3冊
3歳ごろに近づくと「自分で決めたい!」という気持ちが強くなり、なんでも「いや!」に繋がりやすくなります。
この時期には「どっちにする?」と選べる仕組みのある絵本がぴったりです。
どれにしようかな? ~ぼくのいちばん~
対象年齢:1歳半から4歳
文章量:短めで繰り返し
ページ数:24ページ
この絵本は、「今いちばん乗りたいのは?」「見たいのは?」「食べたいのは?」と子どもの選択肢が詰まった絵本です。
言葉がまだ未熟でも、絵を指指すだけで「○○したい」と気持ちが伝えらえるので、イヤイヤ期のお子さんにぴったり。
自分で選べる楽しさを味わえ、自己主張の練習にもなる1冊です。



息子は4歳になるまでの間、言葉の表出が遅かったので、この絵本が自己主張を代弁できるからなのか、大のお気に入りでした。
ねぇ、どれが いい?


対象年齢:3歳から小学校低学年
文章量:普通で読みやすい
ページ数:32ページ
『どっちがいい?』は、自分の家の周りが「洪水」になったり「大雪」になったりと、極端な選択肢を提示されながら「どっちがいい?」と選んでいく絵本です。
子どもはどっちもイヤ!と笑いながらも考え、自分で選ぶ楽しさを味わえます。
イヤイヤ期のいや~な気持ちを笑いに変えられる最強の1冊です。



5歳の娘も4歳の息子も大好きな1冊で、この絵本の続編「またまたねぇ、どれがいい?」も購入しました。
すきなのどっち?たべもの
対象年齢:1歳から3歳
文章量:短めで繰り返し
ページ数:24ページ
見開きの左右に違う食べ物が大きく描かれていて「○○と○○すきなのどっち?」と言うフレーズを繰り返す参加型絵本です。
子供が「こっち!」と指差ししながら答えることで、自分の気持ちを表現できます。



まだ指差しが難しいお子さんには、お母さんが代わりにこっちかな?と聞いてあげると楽しめます。
イヤイヤ期は「自分でやりたい!」気持ちが強くなる時期。
自分で選べる体験を繰り返すことで、自立心を育み、「いや!」と反発する前に気持ちを相手に伝える練習になります。



わが家でも「どっち?」と聞くと嬉しそうに答え、自然に会話が広がります。選択肢を与えることで親子のやり取りがスムーズになり、気持ちの切り替えにも役立つ1冊です。
気持ちを切り替える絵本|3冊
眠たいのに「寝たくない!」「歯磨きしたくない!」と頑固になるのは、1~3歳のイヤイヤ期あるある。
気持ちを別の方向に楽しくそらせるタイプの絵本や、乗り気にさせる絵本は寝かしつけや歯磨き前にも活躍します。
ねむねむさんがやってくる
対象年齢:2歳から5歳
文章量:やや多めだが読みやすい
ページ数:32ページ
この絵本は、眠りたくない子に「ねむねむさん」という存在が訪れることをお母さんが語るお話です。
児童心理士によって作られたこの絵本は、「子どもが自ら寝ることを選ぶ」ことを促してくれる優しい内容。
イヤイヤ期で「寝たくない!」と抵抗する子に読んであげると、ねむねむさんに会いたくて自然にお布団に入るようになるかもしれません。



我が家では絶大な効果でした。
「ねむねむさん会いに来てくれるかな」なんて言って、自ら目を閉じて眠りにつく様子に感動しました。
はみがきあそび
対象年齢:1歳半から3歳
文章量:短くリズミカル
ページ数:24ページ
『はみがきあそび』は、動物たちが「しゅっしゅ」と歯を磨くお話です。
途中には子どもが思わず笑ってしまうようなユーモラスな場面もあり、最後にはみんなの歯がピカピカになります。
ただ「歯を磨きましょう」と教えるしつけ絵本ではなく、笑いを交えながら自然に歯磨きへ導いてくれる1冊。



イヤイヤ期で歯磨きを嫌がる子どもに、楽しみながら習慣づけられるおすすめな絵本です。
きんぎょがにげた
対象年齢:1歳半から3歳
文章量:短めで繰り返し
ページ数:24ページ
「きんぎょがにげた どこににげた」のフレーズを繰り返しながら逃げた金魚を探す”探し絵遊び”の絵本です。
金魚が「え?そんなところに?」と意外な場所に隠れていて、子どもたちは大笑い。
「この絵本を読んだら歯磨きしよっか」など、気持ちの切り替えが難しいときに使ってみて下さい♪



私の周りの子もみんな夢中で、何度読んでも楽しめる1冊です。
結局おすすめな1冊は?
私がイヤイヤ期に一番おすすめしたい絵本は「ねぇ、どれが いい?」です。


極端でユーモラスな選択肢から「どれがいい?」と子どもに問いかけるこの絵本は、ただ楽しいだけではなく、自分で選ぶ経験を通して自立心を育てられるところが魅力です。
そして「イヤ!」という気持ちを笑いに変えてしまう独特の世界観は、イヤイヤ期のお子さんにぴったりだと思います。
最後に。
絵本や声掛け、遊びなどいろいろな引き出しを増やしておくことは大切ですが、どんなに工夫しても「イヤ!」となるのがイヤイヤ期です。
あまり考え込みすぎず、大人も「ちょっとしんどいな」と感じたら、少し一人になったり気分転換を取り入れてみて下さいね。



ちなみに私はしんどい時に、トイレに逃げていました笑
ではでは~